しらたま

当代久重考案の「しらたま」。
ひさしぶりの制作ですが、気候のいい春を迎え、
いよいよ「胡粉塗り」に入っていきます。

しらたま

写真は「制作工程 ③」でもふれている「紙貼り」の後ですが、
今回の和紙は明治八年のもの。
どうやら蕎麦畑の登記簿のようです。

制作工程 ⑧

制作工程 ①」、「制作工程 ②」、「制作工程 ③」、「制作工程 ④」、
制作工程 ⑤」、「制作工程 ⑥」、「制作工程 ⑦」、から続きます。

もっとも緊張する「顔描き」を終えた人形たち。
ようやく完成が見えてきました。

なんとなく落ち着かない人形たち…

でも「何か足りない感じ」、しませんか?
そう、やはり人形も人間と一緒、「髪の毛」がないと、落ち着きません。

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制作工程 ⑦

制作工程 ①」、「制作工程 ②」、 「制作工程 ③」、
制作工程 ④」、「制作工程 ⑤」、 「制作工程 ⑥」、から続きます。

「胡粉塗り」と「ぬぐい」を終えた人形たち。
いよいよ、もっとも緊張する「顔描き」を迎えます。

いよいよ顔描き!

制作工程 ②」でもふれましたが、
目や口の位置はすでに「上彫り」の段階で決まっており、
この「顔描き」で位置を変更することはできません。

「上彫り」の時に、その点をしっかり考慮しておかないと、
ここで 「思いっきり」 後悔することになります。

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制作工程 ⑥

制作工程 ①」、「制作工程 ②」、 「制作工程 ③」、
制作工程 ④」、「制作工程 ⑤」、から続きます。

「磨き」と「切る」工程が終わるといよいよ「胡粉の上塗り」。
胡粉を塗る作業の最終仕上げ、大事な工程です。

上塗りを待つ人形たち

「上塗り」の胡粉は3種の配合を用いて、約10回塗り重ねます。
「地塗り」とあわせると約40回、塗り重ねていることになります。

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制作工程 ⑤

制作工程 ①」、「制作工程 ②」、
制作工程 ③」、「制作工程 ④」、から続きます。

前回、少しふれた「磨き」ですが、
実はこれが全工程中、一番ゆううつな作業です。

ぼこぼこの表面…

約30回、塗り重ねた胡粉の層は硬く、
しかも筆目のせいで表面はぼこぼこ・・・
これをつるつるになるまで磨くのはけっこうな力仕事です。

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制作工程 ④

制作工程 ①」、「制作工程 ②」、「制作工程 ③」、から続きます。

「紙貼り」が終わると、いよいよ「胡粉塗り」に入ります。

「胡粉」とは「牡蠣の貝殻の内側の白い部分を砕いて粉末にしたもの」です。
「胡粉」はニカワや水などと配合し、こなし、液状にし、何度も塗り重ね、
さらに磨くことによって、深みのある光沢が出る、大事な素材です。

胡粉作りに使用する道具

この「胡粉作り」は伊東家では「秘中の秘」。
その配合は親から子にのみ受け継がれ、書き留めることも許されません。
季節、またその年の気候によって、微妙に配合を工夫し、
今日まで続いてきました。

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