御所人形の制作法

御所人形の制作法には用いる素材によりさまざまな種類がありますが、伊東家では初代庄五郎の頃より、代々「木彫法」による制作を続けています。
完成したその姿からはうかがい知ることはできませんが、素材には30年以上も自然乾燥させた桐の木が用いられています。
また御所人形の最大の特徴である白い肌の光沢は、細かな部分まで彫刻した桐の木地に胡粉(牡蠣の貝殻の内側の部分をすりつぶしたもの)を50回ほども塗り重ね、磨くことによって出る独特のものです。

この「木彫法」によって作られる人形は、粗彫りから仕上げにいたるまで多くの工程を踏まねばならず、完成までに一年近い時間を必要とします。
現在ではその手間を嫌い、「木彫法」という御所人形の伝統的技法を守る人形師はきわめて少なくなっていますが、伊東家では100年、あるいは200年たっても「修復できる」という意味において最良とされる「木彫法」による制作が当代まで変わることなく伝承されています。

参考記事
制作工程 ①」、「制作工程 ②」、「制作工程 ③」、「制作工程 ④
制作工程 ⑤」、「制作工程 ⑥」、「制作工程 ⑦」、「制作工程 ⑧

素材である「桐」の木

素材である「桐」の木