「制作工程 ①」、「制作工程 ②」、
「制作工程 ③」、「制作工程 ④」、から続きます。
前回、少しふれた「磨き」ですが、
実はこれが全工程中、一番ゆううつな作業です。
約30回、塗り重ねた胡粉の層は硬く、
しかも筆目のせいで表面はぼこぼこ・・・
これをつるつるになるまで磨くのはけっこうな力仕事です。
サンドペーパーを使います。
40番→80番→120番→240番→400番 と、
だんだん細かなものに変えて、磨いていきます。
磨き残しの無いように・・・
根気のいる作業です。
体部分をつるつるに磨き上げたら、次はいよいよ顔。
まずペーパーで軽く磨き、目、鼻、口を小刀で切り出します。
あせって地が出てしまったらアウト。塗り直しです。
「上彫り」で彫った時の感じを思い出しながら慎重に・・・
ということで、体も顔もつるつるになった人形ですが、まだ顔は描けません。
実はこのあと、「胡粉の上塗り」というさらに大事な工程が待っているのです。
一番ゆううつな「磨き」と、顔だちを決定する「切る」工程が終わりました。
作品の完成まで、登山でいうと「6合目」ほどの地点です。
「制作工程 ⑥」へ →