その起源は平安時代にまでさかのぼるともいわれる立雛。
伊東家の立雛は「木彫法」と「一閑張法」を組み合わせて作られています。
頭部の素材は現在の大多数の人形の素材である「焼き物」や「石膏」などとは違い、30年以上乾燥させた「桐の木」を使用し、「木彫法」にて制作されています 。
胴体の部分には和紙の「一閑張法」を用います。伊東家ではこの「一閑張法」を胴体の十分な強度を保つための、また袴のなめらかな曲線を出すための最良の方法と考えています。

立雛の頭
衣装には主に京都の西陣産や室町産の金襴地を使用します。多くは能衣装や袱紗などに用いられる華やかなものを選びますが、時には大胆な色合いのものやモダンな柄のものを使うこともあります。
現在は立雛の制作は当代久重から庄五郎に受け継がれています。その伝承された技によって生み出される作品は、伝統的な意匠のものから現代風なデザインのものまで多岐にわたり、その魅力は大きな広がりを見せています。
参考記事
「立雛の頭(かしら) ①」、「立雛の頭(かしら) ②」、「立雛の頭(かしら) ③」
「立雛の頭(かしら) ④」、「立雛の頭(かしら) ⑤」