立雛の頭(かしら) ③

先日、「立雛の頭(かしら) ①」と「」で紹介した立雛の頭。
ようやく顔を描きました。

顔描き完了!

写真でもわかると思いますが、ひとつひとつ表情が違います。

毎日顔を描く職人さんと違い、私は年に数回しか顔を描きません。
ですので、同じ時に描いたものでも人形の表情は微妙に違ってきます。

それぞれ個性を持った頭は髪付けの後、雰囲気を見てペアを組んでいきます。
いわば「お見合い」のようなもの。
「これはこれ」、「この人にはこれ」、とやっていると
不思議なことに必ずお似合いの組み合わせがみつかります。

完成まであと少し。
緊張する「顔描き」が済んだあとの楽しい時間です。
来月の展覧会には5種類の立雛を出品する予定です。

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立雛の頭(かしら) ②

上塗りが完了!

先日、「立雛の頭(かしら) ①」で紹介した立雛の頭。
実はもう「上塗り」と「ぬぐい」の工程を終えています。

このあとはいよいよ「顔描き」なのですが、
もう少し光沢が欲しいので、このまましばらくおいておくつもりです。
少し時間をおいてから「ぬぐう」ことで光沢に深みが出る。不思議です。

※工程についての詳細は「御所人形の制作法」をご覧ください。

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立雛の頭(かしら) ①

建一作 立雛

建一の立雛はおかげさまで毎年人気。
出来る数が限られているので、
お待ちいただいてる方もあるのですが、
来春の展覧会用にも、何点か制作しています。

立雛の頭

頭(かしら)の素材はもちろん桐。

頭の素材は桐の木以外にも、
桐塑、石膏や焼き物、さらに最近では樹脂製のものまであるそうですが、
うちでは桐の木彫法を変えることは絶対にありません。

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金襴

来年1月の展覧会の作品用にいいものがあればと思い、
金襴屋さんに金襴を見せてもらいました。

モダンなデザインも…

あらかじめ色や柄など、こちらの希望を伝えておいて
工房に持ってきてもらうのですが、今回はなんと数十本!

というのも人形の衣装は難しいもので、
金襴であれば「織りの細かさ」や「文様の大きさ」など、
人よりずっと小さい分、選ぶのに微妙な判断を必要とするからです。

豪華な金襴

色やデザインは御所人形のイメージに合わせ、
「軸物の表装」や「袈裟」などに使われるような「地味なもの」ではなく、
「能装束」や「袱紗」などに用いられる「華やかなもの」から選びます。

今回選んだのはモダンなデザインも含めた数種類。
金糸をふんだんに使いながらも派手すぎない、
上品なものを選ぶことができました。

建一作 立雛

細かく金糸を織り込んだ金襴は光の当たり具合によって、
朝夕で表情を変える点が最大の魅力。

今度の展覧会では新しい「立雛」に使ってみようと考えています。
これまでと違うイメージのものができそうで、今から楽しみです。

高盛金彩絵

秋草の絵八角香合

いよいよ9月。
ようやく暑さも落ち着き、過ごしやすくなってきました。

写真は高盛金彩絵の「秋草の絵八角香合」。
桐の木地に胡粉を幾重にも塗り重ね、
高く盛り上げたところに彩色を施していきます。

京都らしい優雅な文様と華やかな色合いが人気。
来年1月の展覧会に向け、制作を進めています。

九州陶磁文化館

今月、有田焼の里・佐賀県西松浦郡有田町にある
柴田夫妻コレクションで名高い、佐賀県立九州陶磁文化館に
久重の作品が収蔵されました。

佐賀県立九州陶磁文化館

依頼を受けてから三年をかけてようやく完成した御所人形。
来春の展覧会で公開される予定です。

お楽しみに!