この前書いた「粗彫り」途中の「割る」工程。
これは別角度から撮ったものですが・・・
こちらは足の裏。
人形が完成してからも内部に空気を循環させ、
湿気による「ヒビ」を防ぐために開けられている「穴」。
これも長い経験から生まれた、
欠かすことのできない「工夫」のひとつです。
虎屋ギャラリーでの展覧会を終え、二条城の大仕事を終え、
京都LCの文化講演会を終え、同志社女子大学の授業も軌道に乗り・・・と、
ようやくひと息ついたところですが、やはり一番大事なのは作品制作。
次の目標に向け、基本の工程「粗彫り」を進めています。
この「粗彫り」、学生の頃から20年以上続けている大事な工程・・・
私にはめずらしく、仕事の途中に作品2点を撮影してみました。
微妙な違いがおわかりいただけるでしょうか?
制作工程については「御所人形の制作法」をご覧ください。
先日、京都ライオンズクラブ主催の文化講演会が無事に終了。
実は今年度の文化委員長をしていることから
企画と運営の責任者と当日の司会を担当した私。
かなりのプレッシャーを背負って本番を迎えましたが、
おかげさまで大盛況で終えることができ、ほっとひと息ついています。
ところで先月から同志社女子大学の春学期授業が始まっています。
タイトルを「京都の文化A」として受け持つこの授業も今年で3年目。
なんと今学期は310名(!)のエントリーがあったのですが、
教室の収容人数の関係で最終的に229名まで調整してもらいました。
次男が「パパ用」「お兄ちゃん用」「自分用」と買ってきたチョコレート。
授業での自分を見透かされているようで、なかなか食べる気になれません。
いよいよ今日から5月。
世間はゴールデンウィークの真っ最中ですが、
私は来週10日(水)に控えた京都ライオンズクラブ主催の
文化講演会「もっと身近に 能と狂言」の準備で落ち着かない日々・・・
と、そんな中、実はこの春を締めくくる「大きな仕事」が完成し、
先週28日の金曜日に報道発表を兼ねた「お披露目」が行われました。
以前から思わせぶりに何度か書いてきましたが、(①②③④⑤)
今年は1867年の徳川幕府による「大政奉還」から
ちょうど150年目となる節目の年。
その記念すべき年に「二条城」の国宝・二の丸御殿に展示されている
時代風俗人形の制作と修復、さらに装束新調の依頼を受け、
これまで着々と準備を進めてきました。
父にとって祖父、私にとっては曽祖父にあたる「十世久重」が
昭和30年代に制作した二の丸御殿・大広間と白書院の時代風俗人形。
その修理復元に加え、「十二世久重作」となる新しい作品の制作。
身の引き締まる思いで臨んだ末に・・・
完成しました!
明治神宮聖徳記念絵画館に収蔵されている
邨田丹陵の「大政奉還図」を参考に再現した歴史的場面。
この「大政奉還150周年」を機に大規模改修を進める二条城は
徳川家の栄枯盛衰だけでなく、
日本の歴史の移り変わりを見守ってきた由緒あるお城です。
いつ行っても大勢の観光客でにぎわっていますが、
この連休はイベントが目白押し。
ぜひご来城ください!