上彫りができた人形は、このあと「胡粉塗り」に入ります。
しかしその前に、地味ですが、欠かすことのできない工程があります。
それが「紙貼り」です。
貼っているのはむこうが透けて見えるほど薄く、
少し揉むだけで毛羽立つようなやわらかい紙。
桐と胡粉をなじませ、つなぐ、大事な役割をはたします。
いよいよ笑っていられない個展2か月前。
制作はまだまだこれから。
連日睡眠時間3時間で頑張っています。
「伊東建一 御所人形の世界」
2012年11月18日(日)~25日(日)
箱根やまぼうし (箱根町箱根)
やまぼうしオーナー・浜美枝さんのホームページ
Mie’s Living http://www.mies-living.jp
まだまだ暑い日が続いていますが、9月になりました。
もうすぐ実りの秋ですね。
「御所人形の制作法」にも書いていますが、
「木彫りであること」は初代庄五郎以来、
伊東家の御所人形制作において最も重要なことです。
素材である桐の木。
伐採後、20年から30年ほど天日にあて、乾燥させます。
真ん中の髄の部分は使えないので、四分の一に割って保管しています。
風雨に耐えて残った強い部分のみを使用します。
木彫に使う道具です。電動のものは一切使いません。
桐の木は柔らかいので、手で彫らないと歪んだり、割れたりしてしまうからです。
その性質から彫刻家は「桐」という木を素材として用いることはほぼありませんが、
伊東家ではこのあとの工程で塗り重ねていく胡粉との相性を考慮し、
江戸時代より、代々が桐を素材として採用しています。
粗彫り途中の人形。
これは衣装を着ける予定の人形なので、手は別に彫っています。
完成後にひびが入ることがないよう、
このあといったん半分に割り、中をくりぬき、3か月ほど乾燥させます。
「制作工程 ②」へ →
写真家・山下太郎氏の個展が今月29日より開催されます。
「子女名優」 - 子は親の心を実演する名優である -
ご縁あって、うちにも撮影にこられました。
どんな作品になっているのか、拝見するのが楽しみです。
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。