制作工程 ③

制作工程 ①」、「制作工程 ②」、から続きます。

上彫りができた人形は、このあと「胡粉塗り」に入ります。
しかしその前に、地味ですが、欠かすことのできない工程があります。
それが「紙貼り」です。

何か書いてあるのが見えますか?

貼っているのはむこうが透けて見えるほど薄く、
少し揉むだけで毛羽立つようなやわらかい紙。
桐と胡粉をなじませ、つなぐ、大事な役割をはたします。

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個展まであと2か月

いよいよ笑っていられない個展2か月前。
制作はまだまだこれから。
連日睡眠時間3時間で頑張っています。

芦ノ湖の海賊船から駒ヶ岳をのぞむ

「伊東建一 御所人形の世界」
2012年11月18日(日)~25日(日)
箱根やまぼうし (箱根町箱根)
やまぼうしオーナー・浜美枝さんのホームページ
Mie’s Living  http://www.mies-living.jp

制作工程 ②

制作工程 ①」 から続きます。

粗彫り後、半分に割り、中をくりぬき、3か月ほど乾燥させた木地は
もう一度貼り合わせられ、いよいよ上彫りに入っていきます。

上彫り途中の人形

ここからまだまだ細かく彫っていきます。
このあと塗り重ねていく胡粉の厚みを慎重に考慮しながらの作業です。

顔のアップ

目・鼻・口の位置はこの段階で決定され、
これ以降の工程で変更することはできません。
上彫りは作品の仕上がりを決定づける非常に重要な工程。

作品の完成まで、登山でいうと「3合目」ほどの地点です。

制作工程 ③」へ →

制作工程 ①

御所人形の制作法」にも書いていますが、
「木彫りであること」は初代庄五郎以来、
伊東家の御所人形制作において最も重要なことです。

素材である桐の木

素材である桐の木。
伐採後、20年から30年ほど天日にあて、乾燥させます。
真ん中の髄の部分は使えないので、四分の一に割って保管しています。
風雨に耐えて残った強い部分のみを使用します。

木彫に使う道具

木彫に使う道具です。電動のものは一切使いません。
桐の木は柔らかいので、手で彫らないと歪んだり、割れたりしてしまうからです。

その性質から彫刻家は「桐」という木を素材として用いることはほぼありませんが、
伊東家ではこのあとの工程で塗り重ねていく胡粉との相性を考慮し、
江戸時代より、代々が桐を素材として採用しています。

粗彫り中の人形

粗彫り途中の人形。
これは衣装を着ける予定の人形なので、手は別に彫っています。
完成後にひびが入ることがないよう、
このあといったん半分に割り、中をくりぬき、3か月ほど乾燥させます。

制作工程 ②」へ →

「子女名優」

案内はがき

写真家・山下太郎氏の個展が今月29日より開催されます。
「子女名優」 - 子は親の心を実演する名優である -
ご縁あって、うちにも撮影にこられました。
どんな作品になっているのか、拝見するのが楽しみです。

ぜひお立ち寄りください

お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。