今回も祇園祭の話題です。
四条新町にある月鉾はその装飾の豪華さから「動く美術館」と言われ、
また何といっても鉾頭の月の形から女性に抜群の人気を誇っています。
実はその月鉾の稚児人形「於菟麿」(おとまろ)は九世久重の作です。
数ある山鉾の稚児人形の中でも最高の「美男子」と称される
「於菟麿」は九世久重によって明治45年(1912)に制作されました。
先日お目にかかった鉾町の方によると
この「於菟麿」もそろそろ修復の時期かということでした。
数えれば今年は九世久重制作の年からちょうど100年。
やはりなにか不思議な縁を感じます。
山鉾巡行まであと十日となりました。
今年も巡行の無事を祈っています。
ちなみに九世久重は昭和天皇の御大典にあたり
香淳皇后の依頼を受け、昭和3年(1928)に
このような珍しい洋装の市松人形を制作しています。