小道具その後

できました!

完成!

この前書いた通り、和紙の一閑張りに胡粉を塗って金泥で彩色。
胡粉を何度も塗り重ねると、いい感じに角が取れます。

胡粉を塗る前

数がひとつ減っているのはご愛嬌。
実は嫌な予感が的中、あまりにも小さすぎて失敗してしまいました!

小道具

御所人形の制作法」の「制作工程 ⑧」にも書いたように
小道具作りは地味ですが大事な仕事。
最後に持たせる物、身に着ける物で作品の印象はがらっと変わります。

小道具作り

今年は思いついたらすぐ実行。
五月の節句をイメージして、兜っぽい物を作ってみることにしました。
和紙の一閑張りに胡粉を塗り重ねてから金彩を施す予定ですが、
すごーく小さいのでなかなか難しいです。

最後の勝負!

名古屋の展覧会まであと3日!
寝る時間を削ってがんばってますが、
最後の最後に残ったのが、この「ちびたま」の顔描き。

「ぬぐい」前と「ぬぐい」後

実は案内状の 「『ちびたま』も数多く制作しました」 の
部分が気になり、ひと月ほど前に追作を決意。

一時はもう間に合わないと思いましたが
あとは顔描きのみ、というところまでなんとかこぎつけました。
昨日の夜から描き始めています。
タイトル通り、これが本当に「最後の勝負!」です。

気になる部分

ちなみに上の写真のちびたま、左側が「ぬぐい」前、右側が「ぬぐい」後。
写真でも光り方の違いがわかると思います。
不思議なことに胡粉の上塗り後、息を吹きかけさらし木綿で磨くと光ってきます。
理由は説明できないのですが、うちでは江戸時代から続けている大事な工程。

「ぬぐい」については「御所人形の制作法」の「制作工程 ⑥」をご覧ください。

「かべたま」 誕生

発案から約9か月。
細かな修正を何度も加え、ついに完成しました。

「かべたま」

念願の壁に飾れる「ちびたま」。
無駄な装飾の無い、すっきりデザイン。
家族会議での厳正なる審査の結果、
他にいくつもあったカッコいい名前を押しのけ、
「かべたま」と命名しました。

名古屋の展覧会にはもちろん出品します。
ぜひ感想お聞かせください。

まさかの塗り直し

いよいよ11月。
世間では今日から三連休ですが、
名古屋の展覧会へのカウントダウンも30日を切り、
遊んでる暇はありません!

ところで下は先日の「御所人形の顔描き」の最後に
「この人たちも出番を待っています」、と貼った画像。

スタンバイOK!

ここから「地塗り」と「中塗り」をし、「磨き」を済ませ、「上塗り」も無事終了。
ようやくこれから「顔描き」!というところだったのですが・・・

まさかの塗り直し・・・

実は写真の4体、「上塗り」の具合がどうしても気に入らず、
悩んだ末に塗り直し・・・
このせいで時間的には2日のロスとなってしまったのですが、
納得いく仕上がりには満足。
これで集中して顔描きに入れます。

金彩

こんなこともやるんです。
人形が着ける烏帽子や冠、そのほか小道具に使うパーツの彩色。
膠(にかわ)を加えた水に金泥を溶いたものを、筆で4~5回塗り重ねます。

いい感じに塗れてます!

写真ではかなり光っているように見えますが、これではまだ不十分。
このあとイノシシの牙で全体をむらなく磨き、ようやく完成です。
ただ、この金泥と混ぜる膠と水の配合、
「濃いと光らない」、「薄いと剥げる」、となかなか微妙なさじ加減。
昔は泣かされましたが、最近はこの辺のコツがわかってきました。