芸術の秋

今日から9月。
ここ数日は気温も下がり、すっかり秋の気配・・・
と、過ごしやすくなるのはうれしいのですが、
箱根の展覧会が近付いてきていると思うと焦りが・・・
思えばこの時期、毎年焦ってるような気がします。

立雛の頭

制作は「胡粉塗り」の真っ最中。
秋の展覧会にはもちろんですが、
来春に向けて「立雛」の制作にも力を入れています。
この秋には新しい作品を発表できる・・・はず・・・です!

それはともかく、長男(中1)が夜遅く(2時過ぎ)まで
何かこそこそやってるな、と思っていたら・・・

ピカソ「泣く女」模写

こんなものが完成していました!
夏休みの美術の宿題。
我が子ながら、なかなかの出来栄え。
びっくりするぐらい豪華に額装しようと思っています。

ただ、提出日の朝ギリギリに仕上げる点は「?」マーク。
この習性は確実に「じいじ」(久重)譲り、先が思いやられます・・・

春学期終了!

同志社女子大学での授業も今年で2年目。
その春学期が終了しました。

大教室!

春学期は京田辺キャンパス。
今回の受講生は過去最多の250名!
大教室をびっしり埋める女子大生の迫力(?)は相当なもので、
去年は毎週ドアを開けるたび「めまい」がしましたが、
今年になってようやく少し慣れてきました。

ただあまりにも人数が多過ぎて、
最後まで学生の顔と名前が一致しなかったのが、ちょっと残念・・・

期末テスト

学期の締めくくりには「期末テスト」。
毎回調子に乗って、変わった問題を出すのですが、
若い子ならではのおもしろい回答がたくさんあり、
今後の制作の参考になりそうです。

ただいつも書いてるような気がしますが、
やはりこれだけの量、読むのは楽しいのですが、採点が・・・

それはともかく受講生のみんな、お疲れさまでした。
楽しく有意義な夏休みを過ごしてください。

続・楽しい「粗彫り」

制作中の対の作品

少し前に書いた「対」の作品の粗彫り。
今は向かって右側の作品の粗彫りをある程度済ませ、
バランスを取るため、左側の作品の粗彫りにかかっているところです。
ふたつ並んだ雰囲気がおもしろかったので、
今回は下図を薄く切って残しておくことに・・・
途中経過は「上彫り」が済んだ頃にお見せしたいと思います。

続・祇園祭と伊東家

今日は17日、祇園祭では「前祭巡行」が行われました。

ウェスティン都ホテル

父、十二世久重作の長刀鉾守護神「和泉小次郎親衡」像、
九世久重作の月鉾の稚児人形「於菟麿」も巡行に参加。
今年の任務を無事に終えました。

さて、巡行が終わるとすぐに片付けられるのが通例の山鉾。
もちろん「和泉小次郎」も「於菟麿」も、
次の年の巡行に備えて、蔵に大事に保管されるのですが、
たまに工房に帰ってこられることがあります。

帰っていく「和泉小次郎」

これは4年前に撮った「和泉小次郎親衡」。
祭の期間中、鉾の真木で風雨にさらされているため、
数年も経てば傷みも相応ですが、
そんな時はしばらく工房で休養し、リフレッシュ・・・

先祖の仕事を継続して手掛けることができる。
ありがたいことです。

長刀鉾「和泉小次郎親衡」の話

なにかと忙しく、
なかなか「ちびたま日記」を書く時間がありません!

さて、「前祭巡行」も17日にせまり、
祇園祭もいよいよ盛り上がってきました。

長刀鉾のちまき

この「前祭巡行」の先頭を行く「長刀鉾」とは縁の深い伊東家。
鉾の守護神である「和泉小次郎親衡」像を
初代庄五郎、十世久重、十二世久重、と制作させていただいたことは
以前も書きましたが、
同志社女子大学の授業で使った資料の中から、
それについての懐かしい記事が出てきましたので、ご紹介します。

7年前の今日、2009年7月12日の京都新聞朝刊。
詳しくは、以下のリンクをご覧ください。

ソフィア 京都新聞文化会議 「 伊東久重氏 鉾の守護神 世代越え制作 」

ちなみに、この「親衡」像は・・・

長刀鉾天王台

に飾られています。

祇園祭をよく知る人には「天王さん」の愛称で親しまれている、この人形。
長刀鉾をご覧になる際には、ぜひご注目ください!

楽しい「粗彫り」

ここしばらく、工程は「粗彫り」が続いています。

楽しい工程

これは父が依頼された、「対」になる作品の片方。
この人形の場合、「なんとなく右に寄っている」のがポイントです。
下図はもちろん父、最低限にしか描かれてませんが、
意図を汲んで慎重に彫っていきます。
この「粗彫り」、最初の頃は単純な作業に思いましたが、
今では「完成した姿」をイメージして取り掛かれるようになりました。
楽しい工程です。