材料の確保

数ある人形の中でも「最高の格式」を持つとされる御所人形。
現代の美意識にも通じる「三頭身」の体形と
その透き通るような「白い肌」が人気の秘密ですが、
実はその外観上の特徴を満たすだけでは本当の御所人形とは言えません。

庄五郎(建一時)作 木彫御所人形「明」

本来、御所人形は江戸時代より「木彫法」によって制作されるものでした。
ここでも何度か書いていますが素材は「桐の木」。
最近は他の材料を用いて作られている物もあるようですが、
伊東家では江戸時代より「木彫法」による人形制作を続けています。

国産の「桐」!

ということで先日、大事な素材である「桐の木」の買い付けに某所へ。
温暖化の問題もあり国産のいいものが入手しづらい現況ですが、
この日も素晴らしい材料を確保することができました!
関係各位のご厚意に心から感謝申し上げます。

ばんざい!

庄五郎(建一時)作「ばんざい」

特製アクリルケース作成のため、
ひさしぶりに工房に帰ってきた建一作の「ばんざい」。

斜めから!

3年前(2016)の作品なのですが、なかなかいい表情・・・
庄五郎になった自分にとっていい刺激になりました!

平成最後の・・・

いよいよ「平成最後の日」となりました。
今まで「平成」という時代を意識することはありませんでしたが、
思えば高校3年生から現在までの激動(?)の30年間。
これを機会に今日1日「平成」をじっくり振り返ってみたいと思います。

精神統一・・・

ところでここ数日「平成最後の顔描き」に没頭していました。

まずは「目」から・・・

2体の作品の顔を3日がかりで描き上げたのですが、
「平成最後」という思いを抱きながらの特別な時間となりました。

緊張する「口」・・・

自分で言うのもなんですが「いい顔」が描けたと思います。
スッキリした気分で「平成」を終え、明日からいよいよ「令和」。
今後ともよろしくお願いいたします。

春学期開始!

4月も半ばを過ぎ、いよいよ「平成」も終わりが近付いています。
来週の土曜日からは驚きの10連休!
長い休みとなりますが、
伊東久重美術館(静岡県駿河平)では「端午の節句」展が好評開催中です。
ぜひお出かけください。

京田辺キャンパス「正門」

ところで先週から同志社女子大学の春学期授業が始まりました。
「京都の文化」という壮大なテーマについて語るこの授業も今年で5年目。
なぜか人気のこの授業。今学期は265名の登録!
大教室の最前列までびっしり詰まった女子大生の迫力は・・・(笑)

大教室!

しかしこれだけの大人数にもかかわらず熱心に話を聞く姿には感心。
京都について、人形について、
少しでも興味を持つきっかけになってくれたらうれしいです。

「端午の節句」展

今年の京都は桜の見ごろが長く、
桜の名所は今も多くの花見の人達で賑わっています。

展覧会案内状

ところで伊東久重美術館(静岡県駿河平)では
春季展覧会第二弾となる「端午の節句」展が初日を迎えました!

ぜひご来館ください!

この「端午の節句」展は5月26日(日)まで。
5月5日(日)には父・久重も館内におります。
ぜひお出かけください!

上塗り前の・・・

新元号も「令和」と決まり、
いよいよ「平成」も終わりが近付いてきました。
その平成中か令和改元後すぐの完成を目指している作品達。
前々回の日記に胡粉の地塗り中の写真をアップしましたが、
その地塗りの後に行なう上塗り前の大事な工程が「切る」工程です。

「切る」

実は人形の顔のパーツの位置や大きさは
木彫の段階ですでに決まっており、
この時点ではもう変更できないのですが、
微妙な表情をつけるために目や鼻、さらに口を少し切り出します。

ほっとひと息・・・

繊細な「切る」工程を無事に終え、ほっとひと息・・・
このあと胡粉の上塗りが済むと、いよいよ「顔描き」です!