前回も書きましたが、
最近は「5月の節句に」という依頼も多く、
この時期は「胡粉塗り」の真っ最中です。
気候穏やかなこの季節は「胡粉塗り」には最適。
写真は4月中に納める予定の作品3点。
なんとなく「私・長男・次男」に見えてきて思わず笑いが・・・
梅雨に入ったとは思えない晴天。
雨が降らないと困る方もおられるとは思いますが、
うちにとっては梅雨の晴れ間は「胡粉塗り」の絶好のチャンス。
9月の展覧会に向け、ここぞとばかりに塗り重ねます。
写真の作品は12回塗り重ねたもの。
最初の「地塗り」は筆を使って30回ほど塗るのですが、
せっかくツルツルに彫った木地も胡粉を吸い込み、
また筆目の影響もあってボコボコしてきます。
天日で乾かしながら塗る「地塗り」は1日に4回が限界。
塗るのもなかなかの手間なのですが、磨くのがさらに大変です!
秋に大きな展覧会を控え、制作に没頭する日々。
何度か書いていますが、工程の中でも「粗彫り」は基本中の基本。
私の粗彫り歴(?)も高校生の頃から数えるともう30年になります。
使い慣れた「小刀」などの道具類。
桐の木は柔らかいため、刃物はよく研いでおかないといけません。
ふと気付けばエプロンにはたくさんの木くずが・・・
普通のエプロンでは小さくて使いづらいので、
特別に大きなものを作って使っています。
これも集中するための大事な道具のひとつかもしれません。
10月に入ってすっかり秋らしくなり、
制作にも力の入る季節となってきました。
ということで、ここ2日間は家族も近寄らない
秘密の部屋(!)でひとり孤独に「立雛」の顔描き・・・
数日前から心を落ち着け、まずは「目」から・・・
今回描いている分は行き先が決まっているものが多く、
いつも以上に緊張します・・・
1日かけて「目」を描いたら、
墨の調子を見ながら次の日には「眉」を・・・
どうしても自然光の方が仕事がしやすい私。
集中できるのは「1日7時間」が限界。
あとは「口」を描けば完成です!
立雛について詳しくは「こちら」をご覧ください。