月鉾稚児人形「於菟麿」

今回も祇園祭の話題です。
四条新町にある月鉾はその装飾の豪華さから「動く美術館」と言われ、
また何といっても鉾頭の月の形から女性に抜群の人気を誇っています。

祇園祭月鉾

実はその月鉾の稚児人形「於菟麿」(おとまろ)は九世久重の作です。
数ある山鉾の稚児人形の中でも最高の「美男子」と称される
「於菟麿」は九世久重によって明治45年(1912)に制作されました。

九世久重作 月鉾「於菟麿」

先日お目にかかった鉾町の方によると
この「於菟麿」もそろそろ修復の時期かということでした。
数えれば今年は九世久重制作の年からちょうど100年。
やはりなにか不思議な縁を感じます。

宵山の月鉾

山鉾巡行まであと十日となりました。
今年も巡行の無事を祈っています。

ちなみに九世久重は昭和天皇の御大典にあたり
香淳皇后の依頼を受け、昭和3年(1928)に九世久重作 「洋装市松人形」
このような珍しい洋装の市松人形を制作しています。

長刀鉾「和泉小次郎親衡」像2

昨日、お預りしていた
祇園祭長刀鉾守護神「和泉小次郎親衡」像をお納めしました。

シャイな和泉小次郎親衡

27年ぶりにやってきた「親衡」像は思ったより損傷が激しく、
表面の胡粉をすべて剥がしての大がかりな修復となりました。

きれいになった和泉小次郎親衡

次、うちに戻ってこられるのはいつのことかわかりませんが、
修復の技術は次の世代にも必ず伝承していきたいと思っています。

去っていく和泉小次郎親衡

繰り返しになりますが「親衡」像は

長刀鉾天王台

に飾られています。

伝統フォーラム記事

第15回伝統フォーラム 「伝統 新時代」
(2011年12月28日 京都新聞掲載)

京都の伝統工芸を担う若手作家らが新しい時代にどう対応しようとしているのかを探る第15回伝統フォーラム「伝統 新時代」(主催・京都伝統建築技術協会、京都新聞社、協力・NPO法人京都伝統フォーラム)が11月24日、京都市中京区の京都新聞文化ホールで開かれた。
御所人形師の伊東建一氏、錦織作家の龍村周氏、截金(きりかね)作家の左座朋子氏の3氏が伝統の技をどう継承し、新時代の要請に応えていくのかについて話し合った。
コーディネーターは京都新聞総合研究所特別理事の吉澤健吉氏がつとめた。

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